都立学校16万人が使う「都立AI」とは?子どもの安全なAI活用のために知っておきたいこと

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「AIを学校で使う」には、特別な準備が必要

生成AIを授業に取り入れるとき、学校として最も気をつけなければならないのが「安全性」です。一般の人が使うChatGPTをそのまま学校に持ち込むことには、個人情報の漏えいや不適切なコンテンツへのアクセスといったリスクがあります。

東京都教育委員会はこの課題に正面から取り組み、都立学校専用の生成AI環境「都立AI」をMicrosoft Azureを活用して構築しました。16万人の生徒が安心して使える、教育専用のAI基盤として、2026年度より本格運用が始まっています。


1. 「都立AI」とはどんな仕組み?

「都立AI」は、Microsoft Azure OpenAI(マイクロソフトが企業・学校向けに提供するAIサービス)を基盤に構築された、東京都立学校専用の生成AI環境です。

一般的な生成AIサービスと異なる主なポイントは次の通りです。

  • 個人情報の保護:生徒が入力した情報がAIの学習データに使われない設計
  • コンテンツフィルタリング:暴力・差別・性的表現などの不適切なコンテンツをブロック
  • 利用履歴の管理:学校側が必要に応じて利用状況を確認できる仕組み

つまり、安全に使えるよう設計された教育専用のAI環境というわけです。


2. なぜMicrosoft Azureが選ばれたのか

Microsoft AzureはOpenAIの最新の大規模言語モデルを企業・自治体向けに提供するサービスです。一般公開されているChatGPTとは別に、データが外部に出ない形で運用できるのが特徴です。

自治体や教育機関がAIを使う際にセキュリティ面で信頼されているのが、こうした企業向けクラウドサービスです。なお、今回の記事はMicrosoftの公式ブログを出典としており、Microsoft製品の紹介を含む点はあらかじめご了承ください。

保護者の立場から見れば「子どもの情報が外に漏れない仕組みで使っている」と理解しておけば十分です。


3. 学校専用AIが整備されることの意味

これまで「学校でAIを使いたいけれど、安全性が心配」という現場の声は多くありました。今回の「都立AI」の整備は、その課題に対する行政としての答えです。

塾や家庭でAIを使う場合は、こうした専用インフラはありませんが、使い方のルールを自分たちで作ることが同じくらい重要です。

  • 個人情報(名前・住所・学校名など)は入力しない
  • AIの回答を他の情報源で確認する習慣をつける
  • スクリーンショットや共有には気をつける

こうした基本的なルールを家族で話し合っておくことが、安全なAI活用の第一歩です。ルールを「決めて終わり」にせず、子どもが実際に使い始めたら定期的に見直すことも大切です。


4. 「安全に使える」環境を整えることの大切さ

私がこの取り組みで注目したのは、AIを「使わせる」だけでなく、「安全に使わせる」ための環境整備をセットで行っている点です。生徒にとっては「AIで何ができるか」を学ぶ機会であり、保護者にとっては「どう管理されているか」が見える安心感につながります。

AIを学校に取り入れることへの不安は多くの保護者が持っています。しかし適切な設計と運用があれば、生成AIは強力な学習支援ツールになり得ます。都立学校でのこの取り組みが、全国の学校や家庭にとっての参考モデルになることを期待しています。


まとめ

  • 東京都が都立学校16万人向けの専用生成AI「都立AI」をAzure OpenAIで構築・運用開始
  • 個人情報保護・コンテンツフィルタリングなど安全設計が特徴
  • 学校専用のAI環境整備が、現場のAI活用を後押しする
  • 家庭でのAI利用でも「個人情報を入力しない」などのルール作りが重要

学校でのAI活用が広がる中、「安全に使う」という意識を子どもたちに伝えることが、今家庭でできる大切なことのひとつです。


※出典:「東京都教育委員会は、都立学校16万人が活用する安心・安全な「都立AI」をAzure OpenAIで構築」(Microsoft公式ブログ)